UdemyのCMOになったつもりでマーケティング戦略を考えてみた【マーケティングトレース】

Udemyのマーケティング戦略アイキャッチ

みなさんこんにちは。トビラマーケティング代表のリュウジです。

マーケターの筋トレ書として人気の「マーケティング思考力トレーニング」。今回はこちらの書籍を参考に、お世話になっているUdemyを分析してみます!

本記事の最終目的は「自分がUdemyのCMOになったら、どんなマーケティング戦略が有効か考えること」そのために現状を分析し、施策を考えてみます。ちなみに私はUdemy講師としても、バリバリ活動しています。一部講師目線の話も入っていますのでご了承ください。

ちなみにUdemyは本社がアメリカで、日本ではベネッセが日本における独占的業務提携をしています。今回は日本市場におけるマーケティング戦略を考えているので、正確に言うと「ベネッセのUdemyマーケティング最高責任者になったつもりで、マーケティング戦略を考えてみた」ですね。

本記事の概要
  • Udemyの現状分析
  • Udemyの強みと他社との差別化ポイント
  • Udemyに対する施策提案

本記事ではこのような内容をまとめています。また本記事はあくまで私の主観に基づいた分析・見解です。その点を考慮していただいたうえで、温かい目でご覧ください。

リュウジのアバター リュウジ トビラマーケティング代表

高単価商品専門Webマーケティングの『トビラマーケティング』代表。Webマーケティング戦略・SEO対策・Youtube運営支援など、Webマーケティングに関する幅広い知識と経験がある。ベネッセ・日本HPなど大手企業との取引も多数。ランサーオブザイヤー2022受賞

目次

Udemyの基本情報

Udemyの企業情報

Udemyはアメリカのナスダック市場に上場している企業。全世界で受講生約4,400万人、コース数約18万と世界を代表するオンライン学習プラットフォームです。

ベネッセの企業情報

日本ではベネッセが「Udemy社と日本における独占的業務提携」をしています。

Udemyの企業理念は「学びたい人と教えたい人をつなぐ、業界をリードするグローバルマーケットプレイス」。業界をリードするということは、売上だけでなく大企業としてのイメージ・透明性も大切にしていそうです。そのことを考えると、日本で教育業界トップのベネッセをパートナーとして選んだことも納得ですね。

今後戦略を考える上では、ただ売上を上げるだけでなく、イメージを損なわないことも意識したほうがよさそうです。

市場環境分析

まずはUdemyを取り巻く市場環境を分析します。市場環境を把握することで、今Udemyが置かれている立場・状況が把握できます。

PEST分析

PEST分析とは、そのマクロ環境を効率よく、網羅的に分析するために使用するフレームワークです。政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Social)・技術(Technology)の4つの要因から、環境の変化や影響を分析します。

UdemyのPEST分析
UdemyのPEST分析からわかること
  • 国全体でリスキリング・DXを推進している
  • 個人単位でもリスキリングの必要性を感じている
  • ChatGPTなどの登場で危機感が増している

近年リスキリング・DXというキーワードが、あらゆるニュースで登場します。国もこの流れを推進しているので、市場は拡大していくでしょう。一方でこうしたニーズを狙っているのは、Udemyだけではありません。競合も増えている中、どんな戦略が必要か考える必要がありそうです。

5Force分析

ファイブフォース分析とは、自社がさらされている脅威を、業界内の競合の脅威、新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力の5つに分類することで、自社の収益性を分析するフレームワークです。

Udemyの5Force分析
Udemyの5Force分析からわかること
  • Udemyのような講座プラットフォームは新規参入が難しそう
  • オンラインスクール・コミュニティは日々増え続ける
  • 例えば中田敦彦さんの「PROGRESS」なども、間接競合として考えられる

Udemy直接競合となるのは、Schoo・グロービス学び放題などのオンライン学習プラットフォーム。またプログラミングスクール・オンラインコミュニティなどは、同じ価値を提供する間接競合として考えられます。

直接競合はサイト開発が大変なので参入ハードルが高いですが、間接競合は比較的参入ハードルが低く、続々と競合が増えています。Udemyを「社会で生き抜くスキルを身につける」という価値の視点から考えると、中田敦彦さん・西野亮廣さん・箕輪厚介さんらインフルエンサーの作るコミュニティは、強い競合になりそうです。

一方でオンラインコミュニティとは、競合できる可能性もありそうです。うまく連携する道を探ることも、戦略としては面白そうですね。

戦略分析

PEST分析・ファイブフォース分析で市場を把握した後は、ランサーズの具体的な戦略を分析していきます。ランサーズの強みは何なのか、マーケティング視点で見ていきましょう。

3C分析

3C分析とは、自社、競合、顧客のそれぞれをリサーチし、戦略を考えるフレームワークです。3C分析の詳しい内容は、以下の通り。

  • 顧客・市場(Customer):どんな人が顧客なのか。顧客のニーズ
  • 競合(Competitor):競合他社と現在の状況
  • 自社(Company):自社の強み・弱み

これをUdemyに当てはめると、以下のようになります。

Udemyの3C分析
Udemyの3C分析からわかること
  • 大手企業のサラリーマンをメイン顧客としている
  • 競合に比べて講師自身の影響力が小さい
  • 開発・AIなどのジャンルではトップランナー

UdemyBusinessが大手企業・地方自治体に導入されていることから、大手企業のサラリーマン向け講座が多い。講座ジャンルで言うと、開発・AIなどエンジニア向け講座は特に強いです。

一方講師で発信力がある人は少なく、Udemy全体のマーケティングに頼っている状況なのは競合と比べると弱みになりそうです。

SWOT分析

SWOT分析とは、Strengths(強み)・Weaknesses(弱み)・Opportunity(機会)・Threats(脅威)を分析し、今後の施策を考えるフレームワークです。

UdemyのSWOT分析

またそれぞれの項目を組み合わせることで、さまざまな視点から施策が考えられます。例えば強み×機会を考えることで、自社の強みを外部環境の機会にどうぶつけるか考え、事業強化が狙えます。

UdemyのクロスSWOT分析

Udemyは海外も含めた講師コミュニティを持っており、講座の質も高い講座が多いです。この強みをどう活かすか考えてみると、権威者・海外講師とのコラボなんかが面白いんじゃないかなと思いました。

Udemyのブランドを強化しつつ、うまいコラボを考えてみたいですね

Udemyが市場で成功した要因

ここまでUdemyの分析をした結果、Udemyが市場で成功した要因は以下の点だとまとめます。

  1. ベネッセブランドを活かしたブランディング
  2. 低価格で高品質な講座
  3. 幅広いプロモーション

日本ではベネッセがパートナーということもあり、国・地方自治体からの信頼性が高いです。ブランド力があることで、大手企業への導入が進んでいると考えられます。

そして低価格で高品質な講座を、幅広いプロモーション展開することで、サイトの競争力を高めています。実際セール期間になると、有名YouTuberや有名メディアとのコラボなどを見かけます。

自分がUdemyCMOならどんな施策を打つか

これらの分析を踏まえて、自分がUdemyCMOならどんな施策を打つか考えてみました。

  • 権威者×講師のコラボ
  • 海外講師とのコラボ促進
  • 最新情報をキャッチアップして講座化する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

権威者×講師のコラボ

「講座の質は高いけど、講師自身の発信力が低い」これがUdemyの抱える課題だと思います。とはいえ講師が1から発信力を身につけ、フォロワーを増やすのは大変。それであれば、すでに権威のある人とコラボして、発信力を身につけてもらおうという施策です。例えば以下のようなコラボが考えられますね

  • ChatGPT開発者×AI開発講師
  • ビジネスコミュニティ×ChatGPT講師
  • 地方自治体×ビジネス講師

「発信力があり顧客がいる場所に対して、質の高い講義を提供する」これができればコラボも組めるかなと思いました。

海外講師とのコラボ促進

Udemyは世界各国に講師がいて、質の高い講座を提供しています。そして海外講座を見てみると、日本の講座よりクオリティが高いものが多そうなんですよね。

例えばSEOの講座では、日本だと私の6.5時間講座が最長です。しかし海外の講座を見ると、20時間近い講座が複数見つかります。もちろん講座の時間が長ければいいという訳ではないですが、指標の1つにはなりそうです。

そのことを考えると、日本の講師がもっと海外講師とコラボできる機会が増えれば、もっとクオリティの高い講座が増えると予測されます。現状日本の講師が海外講師とコラボする際は、紹介後個人で海外講師とやりとりをする必要があります。これ英語が苦手な講師からすると、ハードルが高いんですよね。なのでUdemyが仲介になってくれて、海外講師とのやりとりをサポートしてくれると嬉しいなと思います。

クオリティの高い講座が増える=Udemyの売上アップにつながるので、個人的にぜひ実施してほしいなと思いました。

最新情報をキャッチアップして講座化を依頼する

先日Udemyがプレスリリースで、ChatGPTの検索が前年比4,419%になったと発表しました。実際私がリリースしたChatGPT講座も、他の講座と比べて販売の伸びがかなりいいです。

このように世の中のトレンドになりうるスキルに対して、できるだけ早くクオリティの高い講座が作れれば、他のプラットフォームと差がつけられます。

  • Udemy社内で最新情報をキャッチアップして、トレンドを把握する
  • 講師に最新情報を共有して、講座を作ってもらう

講師目線からすると、最新情報を共有してくれるのってめちゃくちゃ助かるんですよね。メルマガでも直接話す機会でもいいので、トレンド情報の共有はすごくしてほしいなと思います。

Udemyをマーケティングトレースしてみて

今回自身も講師として活動するUdemyのマーケティングトレースをして、とても多くの気づきがありました。中でも「ブランドを守りつつ、有効な施策を考える」という大手企業ならではの視点を考えられたことは、とても学びになりました。Udemyを運営しているベネッセの方々は本当にいい人ばかりなので、これからも自分ができることをやっていこうと思います!

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この記事を書いた人

リュウジのアバター リュウジ トビラマーケティング代表

高単価商品専門Webマーケティングの『トビラマーケティング』代表。Webマーケティング戦略・SEO対策・Youtube運営支援など、Webマーケティングに関する幅広い知識と経験がある。ベネッセ・日本HPなど大手企業との取引も多数。ランサーオブザイヤー2022受賞

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