BtoB企業のマーケティング成功・失敗事例から考える成功企業の共通点

みなさんこんにちは。トビラマーケティングの伊藤です。これまでマーケティングの相談に100件以上のってきて、多くのBtoB企業のマーケティング支援にも携わってきました。
これまで携わってきた企業の中には大成功した企業もあれば、残念ながら失敗してしまった企業もあります。失敗した要因にはもちろん私の力不足もあります。しかし成功した企業と失敗した企業を見比べると、それぞれの共通点が見えてきます。今回はマーケティングに成功した企業と失敗した企業の事例をもとに、成功した企業の共通点を考えていきます。
これからマーケティングに取り組む、なかなかうまくいかないというBtoB企業の方は、ぜひ参考にしてください。
BtoBマーケティングの成功事例
まずは私が支援したBtoB企業の中で成功した事例を紹介します。NDAの関係で社名は伏せさせていただく点ご了承ください。
FDWORK合同会社
企業の補助金申請支援サービスを提供する『FDWORK合同会社』。自社でリスティング広告を運用していましたが、なかなか契約につながらないというお悩みがあり、トビラマーケティングに問い合わせをいただきました。
トビラマーケティングでリサーチを実施したところ、以下のような課題が見つかります。
- ホームページに掲載されている会社の強みが明確でない
- ホームページにお客様の声がなく、客観的な評価がわからない
- リスティング広告の設定が正しくできていない
このような課題からホームページリニューアル、お客様インタビューの実施、リスティング広告の改善などに取り組みます。その結果成約数が5倍になるなど、大きな成果につながりました。
FDWORK様はかなり早い段階で成果につながったのですが、私が考える成果が出やすかったポイントは以下の通りです。
- 補助金採択率100%という圧倒的な強みがあった(ただし依頼時はそれが表に出ていなかった)
- お客様に真摯に対応されており、お客様からの評価が高かった
- ホームページや広告など専門的な分野をトビラマーケティングに任せてくれた
FDWORK様は補助金申請のプロ、トビラマーケティングはマーケティングのプロ、お互いの得意分野を実践できた点が大きな成果につながったと考えています。FDWORK合同会社の詳しい事例は、下記記事でも読めますので、興味のある方はご覧ください。

製造業向けSaas販売の会社
トビラマーケティングが現在支援させていただいているクライアント様で、製造業向けSaas販売をされています。支援開始から半年が経過し、徐々に成果が出始めています。連絡もスムーズで、私自身とてもやりやすさを感じております。成果につながりやすいポイントは、以下のように考えています。
- プロダクト自体に強みがある
- 担当の方がマーケティングに理解があり、議論が深くなる
- こちらの提案を積極的に受け入れて新しいことにチャレンジしてくれる
担当の方がマーケティングに詳しく、私が出したアイディアも積極的に採用してくれます。もちろんすべてそのまま採用するというわけではなく、納得のいかない点があればしっかり議論し落としどころを見つけます。このようにお互いがうまく高めあいながら進められているので、このプロジェクトはうまくいく可能性が高いと考えています。
企業向け温度計メーカー
こちらもトビラマーケティングが現在支援させていただいているクライアント様で、製造業など高温でも測定できる温度計を製造しているメーカーです。サイトのアクセス数を伸ばすために何をすればいいかわからないということで相談をいただき、SEO対策・アクセス解析のコンサルティングを実施しています。
- 積極的に質問をしてくれる
- アドバイス後の動きが早い
- 自身でも勉強を続けている
月2回のペースでSEO対策・アクセス解析のコンサルティングを実施していますが、毎回すぐ行動に移し、わからない箇所は積極的に質問をしてくれます。また自身でも勉強を続けられていて「この部分がわからなかったのですが、どうすればいいですか」という質問もいただけます。
依頼時は知識がほとんどない状態でしたが、今はどんどん知識を吸収して成果につなげています。積極的な姿勢が成果につながるポイントになりそうです。
BtoBマーケティング支援が失敗した事例
続いては私が支援したBtoB企業の中で、支援が失敗した事例から、なぜ失敗してしまったのかを分析してみます。失敗した事例を分析してみるとこちらも共通点がでてきました。失敗しないために、ぜひ参考にしてください。
パートナーに丸投げする
個人的に失敗するパターンとして1番多いと感じているのが、パートナーに丸投げをするパターンです。とあるBtoB企業の依頼を受けた際「3カ月で成果を出してほしい。こちらはマーケティングのことは何もわからないから、すべてお任せする」と言われました。
もちろん私はマーケティングのプロなのでできることはやりますが、1人のリソースでは限界があります。(予算的に他の方に依頼するのも無理な状況でした。)また専門知識を持っているのはクライアント様の方なので、私が1から調べるのもかなり効率が悪いです。
結果3カ月の行動が中途半端に終わってしまい、成果につながらず契約は終了になりました。成功につながったクライアント様は、みなさん協力的でお互いの得意分野をうまく活かしながらプロジェクトを進められます。私のようなパートナーに丸投げの状態だと、成果につなげるのはかなり難しいと感じています。
実施している施策を理解していない
丸投げと被る部分はありますが、実施している施策をクライアント様が理解していない場合も、失敗しやすいと感じています。
とあるBtoB企業のSEO対策を任せていただいた際のお話です。私は検索順位を上げるため毎月施策を実施し、報告をしていました。しかし報告の際のリアクションから、私が今どんな施策をしているか理解してくれていない様子が伝わってきます。検索順位は15位前後から7位前後まで上がったのですが、最終的には「伊藤さんのやっていることがよくわからないし、成果にもつながっていない」という話になり契約が終了します。
個人的にはSEO対策についての理解を少しでも深めていただければ、私がやっていることがよくわからないという状態にはならないと思いました。実施している施策がわからないと、今後どんな成果につながるか、本当に続けてもいいか自信が持てなくなります。パートナーに任せる場合今何をやっていて、今後どんな成果につながる予定なのかを、クライアント側が理解することが重要だと考えています。
KPI・行動計画が決まっていない
こちらは無茶な依頼が続いて、私が体調を崩してしまった事例です。
とあるBtoB企業のマーケティング責任者のポジションを任せていただいたのですが、毎日たくさんのメールがきて「SEOで〇〇をやりたい」「他社とのコラボセミナーを進めている」「自社のブランディングを考えてほしい」と多種多様な依頼をされました。1つ1つのタスクも重いし期限も短いので、施策の精度も悪くなり、どんどん評価が下がる悪循環に陥ります。最終的には私が体調を崩してしまい、契約は終了になりました。
この事例から学んだこととしては、事前にKPIと行動計画をしっかり決めておくべきだと思いました。「半年後に売上〇〇万円を目指す。そのためにA・B・Cの施策を進める」と事前に決めておき、D・Eの施策を提案されても優先度が低ければ後回しにする。(もちろん場合によっては、事前に決めていなくてもDの施策の優先度を上げるケースもあります)このようにKPI・行動計画を決めておかないと、タスクが散乱して最終的な成果につながらない可能性が高いです。
マーケティングで成功するBtoB企業の共通点
ここまで私が携わってきたBtoB企業で、成功例と失敗例を解説してきました。これまでの内容を踏まえて、マーケティングで成功するBtoB企業の共通点をリストアップしていきます。
- 幅広い施策に取り組む柔軟性
- すぐ行動に移す行動力
- 地道な改善にコツコツ取り組む継続力
- 短期・長期両方の視点を持つ視野の広さ
- パートナーにうまく依頼する外注力
- 知識を学び続ける学習意欲
幅広い施策に取り組む柔軟性
BtoB企業のマーケティングは、1つの施策だけで成功するケースは少ないです。
- SEO
- リスティング広告
- SNS
- 展示会
- セミナー
などリード獲得方法だけでも多数あります。またリードを獲得して終わりではなく、メールマーケティングなどでナーチャリングもしていく必要があります。そのためBtoB企業のマーケティングでは、幅広い施策に取り組む柔軟性が必要です。
1つの施策で完結することなく幅広い施策に取り組むことで、自社の勝ちパターンも見えてきます。そして勝ちパターンをいくつも見つければ、売上が安定して売れ続ける仕組みが完成します。BtoB企業がマーケティングを実施する際は、柔軟に幅広い施策に取り組むことが重要です。
すぐ行動に移す行動力・社風
マーケティングで成果が出ているBtoB企業は、いいと思った施策にすぐ取り組むという共通点があります。このあたりは個人の性質以上に、会社の社風が関係していると感じています。
うまくいかない企業の場合「稟議を通さないといけない」「効果的だと思うけど、上がNGを出した」のように、施策がすぐ行動に移せないケースが多く見受けられます。もちろん稟議を通すこともスキルの1つではあるのですが、社風を変えるのは1日ではできません。
はじめからスムーズに行動に移せるケースと、そうでないケースとでは、成果が出るスピードに大きく差が出ます。そして成果が出るまでに時間がかかってしまうと、マーケティングの取り組み自体をやめてしまいます。すぐに成果を出すためにも、行動に移せる個人の資質・社風があると、うまくいくケースが多いです。
地道な改善にコツコツ取り組む継続力
BtoB企業の取引の場合、自社を知ってもらってから契約に至るまで半年以上かかるケースがほとんど。数年かかるケースも珍しくありません。そのため定期的に顧客をフォローする、今は受注につながらなくても対応するなどの業務が発生します。このようなすぐ契約につながらない業務でも、地道にコツコツ取り組む継続力は重要なスキルです。
またホームページ・営業資料・営業でのトークスクリプトなど、地道な改善が結果にむずびつくことも多いです。BtoB企業のマーケティングは、非常に地味で大変なものです。しかしその地道な改善をコツコツ取り組むことが、成果につながっていきます。
短期・長期両方の視点を持つ視野の広さ
先述のようにBtoB企業のマーケティング活動では、受注するまでに時間がかかります。とはいえ短期的に成果が出ていないと、マーケティング活動自体がストップしてしまうこともあります。
そのためBtoB企業のマーケティングでは、短期・長期両方の視点を持つことが重要です。「短期的に成果を出すために広告を出す」「ただ広告だけに依存しては頭打ちなので、SEOや展示会にも取り組む」このように短期・長期両方の施策を同時に展開し、成果を出しつつ最終的な目標に到達する必要があります。
そのため短期・長期両方の視点を持つ視野の広さが重要です。これはプレイヤー1人だとなかなか難しいので、責任者・マネージャークラスの人間がこの考えを持っておく必要があります。
パートナーにうまく依頼する外注力
BtoB企業のマーケティング活動は、自社の社員だけで完結させる難易度が非常に高いです。自社の社員はマーケティングに関する専門知識を持っていないことが多く、知識のキャッチアップだけで時間がかかります。そうなるとなかなか成果につながらず、マーケティング活動自体がストップしてしまいます。
それを防ぐためにはトビラマーケティングのようなパートナーと組むことをおすすめします。とはいえ失敗事例でも解説したように、パートナーに丸投げしては失敗につながります。
コアな部分は自社で実施し、必要に応じてパートナーの力を借りる。この体制を構築することが、BtoB企業のマーケティング活動では重要です。そしてパートナーに無茶をさせることのない外注力も必要です。うまくパートナーと連携できれば、成功への時間が一気に短縮されますよ。
知識を学び続ける学習意欲
マーケティング活動が成功しているBtoB企業は、社員の方が学び続けているケースがほとんどです。社員の方が学び続けていると質の高い議論ができ、パートナーに丸投げされることもありません。
私が支援している企業では、普段の業務のやり取り以外に「Geminiにこんな新しい機能が登場した」「この記事よかったので読んでみてください」といった知識をシェアする会話が発生しています。このような会話が増えてくると、マーケティング活動の精度がどんどん上がっていきます。このように知識を学び続ける学習意欲も、BtoB企業のマーケティングにおいては重要です。
BtoBマーケティング支援はトビラマーケティングにご相談ください
ここまでBtoB企業のマーケティング活動成功事例から、成功する企業の共通点を解説してきました。BtoB企業のマーケティング活動はさまざまな能力が必要で、自社だけでまかなうのはとても難易度が高いです。だからこそ優秀なパートナーが必要です。
トビラマーケティングはBtoB企業のマーケティング責任者代行、コンサルティングを実施しています。1つの施策にこだわることなく、お客様にとって最適な提案をさせていただきます。
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